逆さまつげ

逆さまつげとは

逆さまつげとは目に入るゴミやホコリなど外敵から目を守ってくれているまつ毛は、本来目に入らないように外向きに生えています。
逆さまつ毛とは、様々な要因でまつ毛が内向きになり、眼球に触れてしまっている状態のことです。逆さまつ毛は、上まぶたと下まぶたどちらにも見られ、原因が生まれつきのこともあれば、加齢によるものや結膜炎やものもらいなどによって後天的に逆さまつ毛になることもあります。

逆さまつげの症状

逆さまつ毛になると、以下のような症状が見られます。

逆さまつげの症状

  • 目がゴロゴロする
  • 目がチクチク痛む
  • 光をまぶしく感じる
  • 涙が多く流れる
  • 目やにが増える
  • 充血する
  • ものが見えにくくなる など

軽度であればゴロゴロする、涙が多く流れるといった目の違和感程度の症状ですが、重度になると強い痛みや視力低下など、目の機能に影響が出てしまうこともあります。子供の場合は症状を訴えることができず、まわりが気づかないことも多いので注意が必要です。
目を何度もこする、まばたきの回数がいつもより増えるといった症状がある場合は逆さまつ毛になっている可能性があります。

逆さまつげの種類と原因

睫毛乱生

睫毛乱生(しょうもうらんせい)とは、本来生えるべきではない場所にまつ毛が生えてしまったり、不規則にまつ毛が生えたりする症状のことです。生まれつきの場合もあれば、毛根周囲の炎症や傷によってまつ毛の生える方向が不揃いになってしまう場合もあります。

睫毛内反

睫毛内反(しょうもうないはん)とは、本来前を向いて生えるまつ毛が眼球に向かって生えている状態です。子供の場合は大半が睫毛内反です。顔の成長と共に10歳ぐらいまでは自然治癒傾向となることが多いです。甲状腺眼症などの病気が原因となることもあります。

眼瞼内反

眼瞼内反(がんけんないはん)とは、まぶたの縁にある瞼板の位置が眼球側に向いてしまっている状態です。加齢で目のまわりの筋肉や靭帯が緩むことで起こります。

眼瞼下垂が原因の場合も…

眼瞼下垂とは、上まぶたが下がってしまった状態のことです。眼瞼下垂になるとまつ毛が内向きになり、逆さまつ毛になってしまうことがあります。眼瞼下垂は筋肉が弱くなったり組織が伸びきってしまったりする加齢による原因が多いですが、スポーツや事故で目元に強い刺激が加わると眼瞼下垂になってしまうこともあります。

逆さまつげは放っておくと
どうなる?

逆さまつげは放っておくとどうなる?乳幼児に見られる逆さまつ毛は成長と共に自然に治ることもあります。逆さまつ毛でも症状がなければそのまま様子を見ても良いでしょう。しかし、先ほど挙げたような目の痛みや充血といった症状がある場合は要注意です。
結膜炎や角膜炎を起こしている可能性があります。このような状態を放っておくと視力が低下したり、強い痛みが出たりすることがありますので、放置せず、兵庫県揖保郡の松浦眼科医院へご相談ください。

逆さまつげの治療方法

逆さまつ毛の治療法には対症療法から根本治療まで様々な治療方法があります。
当院では患者様お一人おひとりの状態を確認したうえで、最適な治療方法をご提案いたします。

目薬

目薬症状が軽度の場合、角膜保護剤であるヒアルロン酸等の点眼薬で経過観察をします。
症状に合わせて使う目薬も異なりますので、まずは当院を受診してご相談ください。

 

手術

手術睫毛内反を根本から治療するには手術が必要です。手術にはまぶたに糸を通して固定するだけの「埋没法」と、目の余分な皮膚や筋肉を切除し、糸で固定する「切開法」の2種類があります。
埋没法は短時間で完了し腫れも少ないのが特徴ですが、症状が再発することが多いです。
切開法は埋没法に比べると片側30分前後と手術時間が長く、手術後も腫れや内出血が続くため身体の負担は増えますが、逆さまつ毛の症状は改善しやすいメリットがあります。
当院では再発率の低い切開法をお勧めしています。

抜去

抜去は文字通り目に当たっているまつ毛を抜くことで症状を和らげる治療方法です。抜いても2週間から1ヶ月程で元に戻ってしまうため、定期的な通院が必要です。
また子供など痛みに慣れない方は治療に時間がかかったり、抜去することで見た目に違和感が出てしまったりするなどのデメリットがあります。

睫毛根電気分解

まつ毛の毛根に電気を流して毛根を潰す方法です。睫毛乱生など、まつ毛の一部が原因の場合に良い適応となります。
局所麻酔を使用するので抜去に比べて痛みが少ないのが特徴で、生え変わりの周期があるため複数回の治療が必要となる場合があります。

自分で抜くのはNG?
逆さまつげの対処法

逆さまつ毛は自分で抜くことで症状を抑えることが可能ですが、自分で抜くのは感染症などを引き起こす可能性があるため、おすすめできません。症状が強い場合や違和感が続いている場合は早めに眼科を受診するようにしましょう。
また、ビューラーでまつ毛をカールさせて目の中に入らないようにすることで症状を予防することもできますが、炎症がある場合は症状を悪化させてしまう可能性があります。
安易に行わず、必ず眼科にご相談ください。