目が疲れやすい

目に疲れを感じる

目に疲れを感じる目に疲れを感じる疾患を眼精疲労と言います。
具体的な症状としては、目の疲れや目の痛み、目がしょぼしょぼする、まぶしい、涙が出るといったものがあります。
また肩こり、疲労感、頭痛などの体の症状を伴う場合もあります。
原因も多岐にわたり、目の病気をはじめ、目の使い過ぎや環境による要因、更年期障害、自律神経失調症、精神的ストレスなどといった体に関する不調から生じることがあります。

その症状は眼精疲労かも…

眼精疲労は、長時間パソコンを使用した作業をしている方や、スマートフォンを長時間使用したり、テレビ、読書などを長時間続けることで目を酷使したりする方などに多く見られる疾患です。
パソコンやスマートフォンなどの長時間の使用による一時的な目の疲れであれば睡眠をとることで疲労は改善します。
しかし十分な睡眠をとっているのにも関わらず、目の疲れや痛みを感じる場合は、眼精疲労が進行している可能性があります。
目の症状に以下のようなものが出ていないかチェックしてみましょう。

目の症状

  • 目の疲れを感じる
  • 目の奥が痛む
  • 目の奥が熱い
  • 目がかすむ
  • まぶたがけいれんする
  • 目の乾きを感じる など

体に起こる症状

  • 肩こりがひどい
  • 吐き気がする
  • 目が赤くなる
  • 目の中に異物が入っているように感じる
  • 頭痛がする
  • 眠気を感じる など

目と自律神経の関係

目と自律神経の関係目の焦点には自律神経が深く関係しています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、人間の活動時には交感神経が優位になり、リラックスしているときは副交感神経が優位になります。この作用によって人間の体のオンとオフのスイッチが切り替えられるのです。
目の働きで言うと、遠くを見るときは交感神経が優位になり、目や体を緊張させるように働きます。
逆に近くを見るときは副交感神経が優位になり、目や体をリラックスさせます。
交感神経と副交感神経がうまく切り替わることで、目の焦点を正しく調節できるということになります。
現代の人々はストレス等で自律神経のバランスが崩れやすくなっています。この自律神経のバランスがくずれることによって目の働きが上手く行かず、眼精疲労を招くことがあります。

目が疲れやすい原因

目の使い過ぎ

目を使い過ぎると眼精疲労を発症する可能性が高くなります。
目周辺には眼球やまぶたを動かす筋肉(毛様筋や眼瞼挙筋)があり、首や肩の筋肉とも連動した動きをします。
目を使った細かい作業などを行うことで目の周りの筋肉が緊張し、目の疲れを生じたり、目がしょぼしょぼしたりします。さらに作業に集中して瞬きの回数が減少すると、目が乾燥して眼精疲労を引き起こし、目周辺の筋肉の固まりや首・肩の筋肉の固まりも生じて肩こりや頭痛を生じます。

ストレス

精神的なストレスを抱えることで、体の働きを司る自律神経の乱れを生じ、涙の量やまばたきの減少が発生したり、筋肉の緊張や血流の停滞といったことが生じて体に影響を与えます。それが眼精疲労に繋がる場合があります。

目を使う時の環境要因

乾燥した部屋や、エアコンの風が顔に当たる場所などでパソコンを使用した作業を行っていると、目が乾燥して眼精疲労の原因となることがあります。またパソコンの画面に反射した照明や、寝る前に暗いところでスマートフォンを見たりする時の光の刺激によって目を疲労させることがあります。強い紫外線を受けることや、ハウスダストやたばこの煙によって眼精疲労に繋がる場合もあります。

目や体の病気

近視や乱視が進行すると、目の焦点を合わせようとして目のまわりの筋肉が緊張して眼精疲労の原因となることがあります。
眼球の表面が乾くドライアイや、緑内障、白内障などの目の病気が原因となる場合もあります。
体の病気でも、脳神経の疾患や高血圧、低血圧、糖尿病、自律神経失調症、更年期障害なども眼精疲労の原因となることがあります。

眼鏡やコンタクトレンズの度数が
合わない

同じ眼鏡やコンタクトレンズを使用し続けていると、いつの間にか視力と眼鏡やコンタクトレンズの度数とが合わなくなってくることがあります。
度数の合わない状態でこれらを使用し続けていると、目が焦点を合わせようとして目の周りの筋肉が疲労して眼精疲労に繋がります。姿勢が悪くなることで肩こりが起き、それにより眼精疲労になる場合も考えられます。

目の病気が眼精疲労を
引き起こすことも…

ドライアイ

ドライアイによって目が乾燥すると、目の表面が傷つきやすくなります。
細菌やウイルス感染を起こす危険性が高まる上に、目の中がゴロゴロしたり、痛みを感じたりします。
こういった状況が引き金となって眼精疲労を起こしやすくなります。

矯正不良・調節緊張

近視や乱視、老眼などの視力悪化に対して、目が焦点を合わせようとして目の周りの筋肉が緊張します(矯正不良)。
またパソコンやスマートフォンの長時間の使用によって、目の焦点を合わせることがうまくできなくなる「調節緊張」という症状になる人も増えています。
こうした緊張状態が続くと目の筋肉だけでなく、首や肩にも影響が及びます。
こうして緊張が疲労となって蓄積され、全身症状を伴う眼精疲労となります。

白内障

目の焦点合わせを行う役割を持つ水晶体が老化等を原因として白く濁る病気が白内障です。
白内障によって視力の低下や目のかすみが現れ、それが眼精疲労に繋がる場合が多く発生します。

緑内障

緑内障は、眼圧が高まることによって目の奥にある視神経が圧迫され、視野が狭まったり、一部が見えづらくなったりするのが主な症状です。
日本人の失明原因の一番多い理由となっており、要注意の病気です。
眼圧が高まることで頭痛や目痛を生じたり、視野が欠けている部分を目が補おうとして目に負担をかけたりすることで、眼精疲労が生じるとされています。

斜視

左右の視線が合わず、両目でものを見ることができない状態を斜視と言います。
斜視自体が眼精疲労を生じる場合もありますが、特にものが二重に見える「複視」の症状がある場合は両目の視線を合わせようとして、無意識に努力するうちに目の疲れが蓄積され、眼精疲労となります。

その他の病気

目は全身からの影響を受けやすい部位で、風邪を引いただけで目の疲れを感じる場合もあります。
その他にも高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、老眼、ストレスなどが原因となって頭や肩の痛みが生じ、そこから眼精疲労を起こすこともあります。

目が疲れた時の対策方法

目の運動

目の周囲の筋肉の緊張をほぐすための運動を行って、目をリラックスさせましょう。
正面を向いたまま両目を開き、大きく時計回りに孤を描くように眼球を動かします。
眼球を動かす運動を2回行ったら次に反対回りに2回行います。その後目を閉じた状態で、眼球を上下と左右に2回ずつゆっくり動かします。
一度休んだ後にこれを2~3回繰り返しましょう。

休憩をとる

パソコンを使用する作業時間が長くなる場合は、1時間に1回、5~10分程度の休憩時間をとりましょう。休憩中は遠くを見たり、目を閉じたりして目を休めます。立ち上がってストレッチを行うのもおすすめです。
オフィス内で行うのが適当でない場合は、トイレに行ったりするなど、座りっぱなしにならないように注意しましょう。
パソコンの画面を集中して見ている時は、一定時間毎に意識的に瞬きをする時間をとりましょう。
また疲れを感じた時は、蒸しタオルで目を温めるなどすると良いと思います。

睡眠

眼精疲労の予防には睡眠が重要です。睡眠は日中に酷使した目を休める役割があり、眠っている最中は眼球の緊張が和らぎますので、リラックスできる時間帯になります。睡眠不足になると、その時間が削られて目の疲れが蓄積されてしまいますので、目の健康に良くありません。
目の疲れを蓄積しないためにも最低でも1日6~7時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。

パソコン作業の環境整備

長時間のパソコン作業を行う場合は、作業環境を整えましょう。部屋に加湿器を設置したり、エアコンの風が顔に直接当たらないよう、作業姿勢に注意したりします。
また部屋の照明は明るすぎず、暗すぎないように設定し、ディスプレイの明るさと部屋の明るさを同じ程度にします。ディスプレイは顔から40cm以上離れるようにして、軽く顎を引いて自然な姿勢で見える高さになるよう位置を調整します。椅子には深く座り、床に足が付くようにしましょう。

コンタクトレンズの確認

コンタクトレンズの度数が合っていても、遠くを見るのに適したもので近くを見続けると眼精疲労につながります。
パソコンでの作業を行う方は、コンタクトレンズを作る際に眼科の医師にその旨を相談して、使い方やレンズの種類を決めるようにしましょう。
コンタクトレンズを長時間使用するとドライアイになりやすくなり、眼精疲労に繋がりますので目の乾燥を感じたらレンズを外して眼鏡に変えましょう。

疲れが取れない場合は
眼科を受診しましょう

疲れが取れない場合は眼科を受診しましょう目の疲れを感じても、最初のうちは一旦目を休めたり、軽くケアしたりすることで疲れは取れますが、それが続くと眼精疲労になりやすくなり、日常生活に影響を及ぼす場合もあります。
気になる症状がある場合は、兵庫県揖保郡にある松浦眼科医院へお早めにご相談ください。